自由小説(超大長編)

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 私は怖いものが嫌いだ。どれくらいかというと、遊園地のお化け屋敷で気絶するくらい嫌いだ。中学生になってすぐ兄にホラー動画を見せられ、怖いものダメになった。幽霊とかの話はもちろんNG、怖い話も無理、肝試しなんて論外。そんな超ビビりの私だが、このたびいつメン三人と廃墟で肝試しをすることになった。なんでだなんでこうなったんだ。いつメンは私の怖いもの苦手さを知っているはずである。私がビビる姿が面白いといつか言われたが今回もそんな下らん理由なんだとしたらはっ倒してやる。  肝試し当日。まぁ中止になんてなるはずないので、夜中の二時に廃墟の前に集合し肝試し開始となった。 「わぁ~ボロカスだねぇ。いかにもって感じ」  最年少の成戸恒星(なるどこうせい)が目を細めながら感想を言う。 「ボロカスは言い過ぎだろ。……あ、ごめんボロカスだったわ」  スマホを見ていた中三の先輩の朝霧夜雲(あさぎりやくも)は廃墟を二度見し、自撮りをした。 「二人とも酷いですわ! ボロカスなんかじゃな……んーやっぱりよく見たらボロカスですわ」  特に金持ちでもないがお嬢様口調にはまっている貝沢(かいざわ)湖栖萌(こすも)が小さな声で呟く。 「君たちよくこんな怖そうな所でコントできるね」  皆さんご存じ怖がりの私、宮野七海(みやのななみ)はため息をついた。  ああああああああああ怖い!! もうやだ帰りたい。
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