平村と豚の角煮

1/3
前へ
/66ページ
次へ

平村と豚の角煮

昼のちょっとした騒動から時間が経ち、今は放課後つまり部活が始まる時間だ 俺はいつも部活前に教室で駄弁ってしまうタイプなので、毎回武道場までダッシュしている 角で人とバーンって当たって 「大丈夫ですか?」 「いえ……こっちこそ…」 みたいな少女漫画シチュエーションはしたことがない 実は高校に上がるにあたって赤楚から、人と殆ど会わない裏の道を教えてもらった だから人と会うこともないし、事故ることもないし、走れるということで俺は毎日この校舎裏コースを利用している。 今回も誰とも会わず武道場まですんなり来れた さすがだぜ赤楚! 「あ!(たちばな)先輩お久しぶりっす!!」 「ん?蒼司(あおし)か、久しぶりだな」 剣道部には委員会と掛け持ちの副部長、(たちばな) 疾風(はやて)先輩が来ていた。 道着着ている姿まじかっけぇ! 先輩の濃い紺色の…なんていうんだろう、紺青みたいな髪の色に道着が合っていてイケメン度がマシマシだ。 っかー!王道的な俳優の顔してやがるぜ!その鼻筋くれ! 「最近全然きてなかったっすけど委員会忙しいっすか?」 「あぁ……最近はめっぽう忙しいな、今日も早退して委員会の方にいくつもりだ」 「えーーーーー最後までいないんっすか………なんでそんなに忙しいんです?その委員会」 「んー…どこぞのバカが仕事ほったらかして恋に溺れてるんだ………それの尻拭いでちょっとな」 「えぇーーーー誰ですかそのバカっ俺がはっ倒しますよ」 「ふっ…お願いしたいな」 「あっ!おい青倉ーー俺のファブリー◯どこにあるか知って…__あ、先輩お久しぶりです」 今やもう社畜の風格がある橘先輩と、多分俺よりもあんぽんたんな人の話をしていると平村がファ◯リーズを探しにやって来た。 わかる。 臭いよな、道着。 「久しぶりだな、平村」 「はい………………あの……先輩見てない内にどんどんやつれていってません?大丈夫ですか?」 「そうですよ!なんか社畜っぽいっすよ…………寝てます?」 「あぁ……まぁ…………大丈夫だ、今日は何も問題の起きなかった素晴らしい一日だからな……今の時間が一番の休息だな」 「いやいや、今日は早く寝て、あのバカチン共のことすーべて忘れてください」 「え?平村、あんぽんたんな人達誰か知ってるの?」 「「あんぽんたん……………」」 「んじゃウスラトンカチ」 「「ウスラトンカチ………………」」 「すっとこどっこい」 「「すっとこどっこい………………」」 「ぽんこつ」 「「ぽんこつ」」 「蒼司はかっこいい」 「「蒼司は…………………………かわいい」」 「………………」 「いてっ」「うっ」 これは殴っても良いやつだ。
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1512人が本棚に入れています
本棚に追加