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平村と豚の角煮
昼のちょっとした騒動から時間が経ち、今は放課後つまり部活が始まる時間だ
俺はいつも部活前に教室で駄弁ってしまうタイプなので、毎回武道場までダッシュしている
角で人とバーンって当たって
「大丈夫ですか?」
「いえ……こっちこそ…」
みたいな少女漫画シチュエーションはしたことがない
実は高校に上がるにあたって赤楚から、人と殆ど会わない裏の道を教えてもらった
だから人と会うこともないし、事故ることもないし、走れるということで俺は毎日この校舎裏コースを利用している。
今回も誰とも会わず武道場まですんなり来れた
さすがだぜ赤楚!
「あ!橘先輩お久しぶりっす!!」
「ん?蒼司か、久しぶりだな」
剣道部には委員会と掛け持ちの副部長、橘 疾風先輩が来ていた。
道着着ている姿まじかっけぇ!
先輩の濃い紺色の…なんていうんだろう、紺青みたいな髪の色に道着が合っていてイケメン度がマシマシだ。
っかー!王道的な俳優の顔してやがるぜ!その鼻筋くれ!
「最近全然きてなかったっすけど委員会忙しいっすか?」
「あぁ……最近はめっぽう忙しいな、今日も早退して委員会の方にいくつもりだ」
「えーーーーー最後までいないんっすか………なんでそんなに忙しいんです?その委員会」
「んー…どこぞのバカが仕事ほったらかして恋に溺れてるんだ………それの尻拭いでちょっとな」
「えぇーーーー誰ですかそのバカっ俺がはっ倒しますよ」
「ふっ…お願いしたいな」
「あっ!おい青倉ーー俺のファブリー◯どこにあるか知って…__あ、先輩お久しぶりです」
今やもう社畜の風格がある橘先輩と、多分俺よりもあんぽんたんな人の話をしていると平村がファ◯リーズを探しにやって来た。
わかる。
臭いよな、道着。
「久しぶりだな、平村」
「はい………………あの……先輩見てない内にどんどんやつれていってません?大丈夫ですか?」
「そうですよ!なんか社畜っぽいっすよ…………寝てます?」
「あぁ……まぁ…………大丈夫だ、今日は何も問題の起きなかった素晴らしい一日だからな……今の時間が一番の休息だな」
「いやいや、今日は早く寝て、あのバカチン共のことすーべて忘れてください」
「え?平村、あんぽんたんな人達誰か知ってるの?」
「「あんぽんたん……………」」
「んじゃウスラトンカチ」
「「ウスラトンカチ………………」」
「すっとこどっこい」
「「すっとこどっこい………………」」
「ぽんこつ」
「「ぽんこつ」」
「蒼司はかっこいい」
「「蒼司は…………………………かわいい」」
「………………」
「いてっ」「うっ」
これは殴っても良いやつだ。
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