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「それで、なんで平村は橘先輩について俺より詳しく知ってんのさ」
橘先輩が早退してから数時間後、厳しい部活が終わり平村と一緒に寮に帰る。
平村はB棟で俺はA棟なので、途中で分かれてしまう前に聞き出そうとする。
なんか、平村が知ってて俺だけ知らないのは癪に障る。お前は俺と同レベルだからな。
「えー?ただの噂だよ、なんかサボる人が居て、委員会全般が忙しくなってるっていう」
「え、そうなの?んじゃ橘先輩に直接相談された訳では無い?」
「おん、……ってか副部長人に相談するタイプの人だと思うか?」
橘先輩が人に相談………?全っ然想像できないわ………あの人ひとりで全部なんとかしようとするからなぁ…
俺は心配ですよ。
「絶対しないと思う、まじで想像できない」
「だろー?副部長は誰にでも平等に優しいからな」
確かに、公平性とかを重んじるタイプだわ……裁判官とか似合いそ
え?ていうか委員会が忙しいってことは俺の同室者の奴も忙しいのかな?
だから部屋に帰って来れないのかな?
「委員会全般が忙しいってことは凪も忙しいのかな?」
「え、誰それ」
「凪だよ、なぎ、俺の同室者の八雲凪」
「あぁ……八雲様ね………多分だいぶ忙しいよあの人」
「ぶふっ…なにその呼び方…八尺様みたいじゃん」
凪に様とかおもろ
絶対様とかつけられるような人柄じゃないよあいつ
ウケる
「いや…みんなそう呼んでるからっ…別に俺が発祥の訳じゃないし……あっ!そういや俺のファ◯リーズどこか知っとる?」
………あ、借りパクして俺の寮だわ……(*ノω・*)
「この前借りてそのまんま寮に持って帰ったわ……………そうだ!フ◯ブリーズ取りに俺の部屋こいよ!俺昨日豚の角煮作ったからさ、食べに来てよ」
この前スーパーで安かったブロック豚を昨日浸けておいた、自信作の豚の角煮が部屋にあったのを思い出し、自信満々ドヤ顔笑顔100点満点言う
「…………えっ?はっ?ちょ、おまっ、え、いや、もう、うわっ…はぁぁぁぁーーーーー……」
平村は突然立ち止まり、手で顔を覆って二酸化炭素を吐きながらしゃがんだ。
なんだこいつ
「なんやねんそれ、もしかして用事ある感じ?」
俺の美味しい美味しい料理が食べれなくてそんなに悲しんでるの?うれぴっ
「うん…ある…………………つーか…お前…………それよそではすんなよ……」
平村は眼鏡を拭きながら立ち上がり言う
「なにを?……あっ"部屋においで"ってやつ?」
「そ、おいでってやつ………不意打ちはあかんのよ…」
「急な下手っぴな関西弁」
確かに部屋に招き入れるのは同室者の許可も普通に考えたらいると思うし、あんま仲良くない人に言われたら断りにくいし気まずいしな……配慮が足りないってことか
ッカー!平村に教えられたの癪に障るわ
「遊びにこれる日あったら言えよ、俺また豚の角煮作るから、あっファブリ◯ズ明日持ってくね」
「おう……………………部屋に誘うのと家庭的アピールのダブルコンボは普通の人には耐えられないよ…………………今度親子丼作って……」
「了解だ!材料は自分で買ってこい」
敬礼して平村に手を振る
しょうもない話をしていたらA棟に着いたので先に帰る
今すごく親子丼の口になってしまった………
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