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新入生歓迎会 表
今日のHRはいつもと一味違う。
そう!今日は!1週間後に迫っている、新入生歓迎会についての細かい説明の日だ!
規模の大きいお楽しみ会みたいなので、準備から楽しみだ。
と、いつもの俺なら思っていただろう……
今日のHRは新入生歓迎会の準備だけでなく………
先日行った……中間テストの成績個表が返される日でもある。
いや数学や物理ならまだ大丈夫だ。
公式覚えて挑んだし、計算間違いはほとんどないから半分は取れたはず………多分…
まだ生き残ってるはずだ…………
だがしかし……………
古典がなぁ………………
昔の言葉と現在の言葉が似たりよったりなので多分色々ミスってる
現代国語ですら難しいのに古典で作者の伝えたいこととかわかるわけ無いだろ。
平均点が低いことを願う
「青倉君………なんで君だけお通夜の雰囲気なの…」
「ゆず君…俺は今、頸動脈にナイフを刺されているんだ…」
「致命傷じゃん…」
ゆず君の言う通りクラスはテストが終わったご褒美みたいな新入生歓迎会の準備にテンションが上っている。
みんなはなんだかんだ平均点を前後しているので留年の危機はないが、俺はある。
完全にある。
死にかけている。
そんな中でテンションぶち上げワッフルになれないよ。
何だよテンションぶち上げワッフルって。もうだめだよ俺………
俺達の担任のおじいちゃん先生はよぼよぼの声でみんなを呼び、成績個表を渡していく。
みんなは順位を見ないふりしてテンションを上げていく。
見ないふりできる成績なのか……ずるいぞみんな……仲間だと思ってたのに…!
うわっ赤楚のあの顔…絶対赤点取ってないよ……だいぶすましてんなあの野郎。
平均点ギリギリのハズなのに何であんなすました顔できるんだよ。
「青倉君、ちょっとおいでな」
「ひっ………はい……」
俺の番になると、おじいちゃんはゆっくりと俺を呼びかける
イレギュラーな呼び方に騒がしかったみんなは一瞬静かになった。
やめてくれ、静かになられると尚更惨めになるから……!
赤楚は興味ない感じで窓を見ている
あいつ…!こっち見て心配しとけよ!!
おじいちゃんは俺を廊下に連れて行く。
いや、もう、だめだよ俺。
留年になるよ…
一発目から青点って歴代俺だけなんじゃない?ははっ、そこそこ童顔だからなんとかなるかな………
あれ?弟って俺の1個下じゃん………お兄ちゃん同い年になるよ…
「青倉君、君は古典で28点を取ってしまったんじゃ」
「えっあっそうなんすね…」
「うむ、そして、平均点は60点を超えてしまったんじゃ」
「すぅっ……………バチバチに青点っすね」
覚悟してたけど改めて言われるとダメージ食らうよね……びっくりして無駄に酸素吸っちゃったもん
「そうじゃ、だから今回青倉君は新入生歓迎会に参加せず、クラスで補習になるけどよいな?」
「あい……最後の思い出に新歓を楽しもうと思…………え?クラスで補習?」
「留年よりも悲しいと思うけど、青点を取ってしまったんじゃ、しょうがないことじゃ………わしは青倉君がいなくなるよりかはましだと思うがな」
ん?どゆこと?留年は?留年の代わりに新歓不参加ってこと?
あえ?まさか、新歓不参加=留年だと思われてる?なんなら新歓不参加>留年のほうが苦しむと思ってるの?この学校……
「そっそれじゃあ俺、新歓に出ない代わりに留年なしっすか?」
「今回はな、次回からは普通に留年じゃぞ」
「いえーーーいっ!!新歓不参加で留年回避!?最高ですよおじいちゃん!俺!弟と同級生にならなくて済むじゃん!」
「おじいちゃん言うな」
「あっ、すんません…」
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