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天気は快晴、湿度も良好、絶賛日和の新歓当日、俺はなんの準備もいらないから特になんの覚悟も持ってきていなかったのだが…
クラスのオタク御三家と呼ばれる水樹、堀江、田村に詰め寄られて絶賛困惑中だ。
「変装するってきいてから頑張って作ったんです!お願いです!着て下さい!」
「カツラも用意したんだ!おねがいだ!」
「青倉君のツンデレツインテール見たいんです!」
「おっおう……」
鬼決めから帰ってきたコイツらはいきなり限界突破している。
おい赤楚、鬼側になってサボれる〜って顔してんじゃねーよ仏頂面で無愛想だけど俺にはわかるぞ
助けろ
ってか俺はツンデレキャラじゃねーだろ、アニメの見過ぎだバカ
「変装するならこれを着てほしい!!」
そう言って水樹に差し出されたのはセーラー服だ。
ついでにツインテールのカツラ。
確かに俺は変装すると決めたけれど、特になんの準備もできてなかったから助かるっちゃ助かるけど…………………
「俺の妹……ツインテールでセーラー服だから、なんか……恥ずいかも…」
俺がこの格好をしてみろ、背の高い妹の完成だ。
ちょいとばかし恥ずかしいんだなこれが
少し頬が赤くなるのを実感しながら上目遣いで伝える…………が……………
「ぁ………ぁ………ぁ………」
「ぐわっ!くっ…やるな…青倉……」
「我が生涯に一片の悔い無し……」
カオナシ、厨二病、ラオウが誕生した。
なんだコイツら…おもしれぇ
「えっ青倉ってお兄ちゃんなのか…!」
「妹テンプレのツンデレじゃん…!」
「ツンデレ妹の兄ちゃんとかっ最高っ」
「女装すんの?青倉の女装とかみたいのだが!?」
「男体化妹×お兄ちゃん……新しいな…ありがと青倉!」
なんかクラスが騒ぎ出したぞ……
妹狙ってんのか!お兄ちゃんはお前らが相手とか許さんからな
俺と同い年のやつにお義兄さんとか呼ばれたかねーからな
ってか女装か………恥ずかしいけどちょっとやってみたいかもぉ………
「水樹、堀江、田村、貸せ。絶世の美少女になってやる」
「「「さすがだぜ!青倉(君)!!」」」
俺が覚悟を決めたと同時に鬼側の招集がかかった。
みんなのやる気と期待が高まる中、新入生歓迎会が開催される。
………俺…参加しないんだけどね!
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