第十一章 夜が静かになる

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 都夢の家の一話目は、讃多と勘助が、家を治し始める。ベースとなったのは、そこに建っていた廃墟で、大きいが幽霊屋敷のようだった。  床は抜け、屋根も朽ちていて、室内からも空が見える。そんな家なのに、讃多は笑顔で、これならば、眠りながら星も月も見えると笑う。そして、勘助が眠ったら何も見えないだろうと切り返して、互いにそうだと笑い合う。だが、実際に星を見ながら眠る。  それは草原の中に在って、とても小さく儚い夢だ。しかし、家に屋根をつけ、床を整えてゆくと、人の住居になってゆく。そして、讃多が布団を持ち込むと、娘もやって来て並んで眠った。  讃多の笑顔と、娘達の愛らしさで人気の回だ。こういう時の讃多は、本当に心が和む。大自然の景色と相まって、余計に讃多の笑顔が際立つのだ。
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