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「あ、三毛の夢は記憶ではないと言いましたね?それは、本当に過去を見ているという事ですか?」
「そうだ。だから三毛は、本人の知らない過去を、探る事が出来る」
三毛がいれば、恐竜の時代も体験する事が出来る。
だが、そんなファンタジーの世界よりも、気になる事があった。
「三毛は、兄の失踪の秘密を知っていた」
知っていたというよりも、過去には原因が存在していたのだ。そして、現在に至る。
「兄というのか、三毛にも秘密がある」
「俺達と同じ、人工体ですか?」
西海も、三毛の秘密に近づいていたらしい。
「設計された子供達」
「特殊能力を持った子供達ですね」
そして、三毛の兄は、自分達の秘密に気付き、弟を守ろうとした。
「怖いのは、未来よりも、過去を知られる事。未来はファンタジーで済むが、過去はリアルだ」
三毛は多分、この遺伝子の設計の部分を知る事が出来るのだ。そして、どうしたら特殊能力が出現するのか、知りたがっている組織は多い。
「特殊能力を奇跡の確率ではなく、普通に出現させる計算?そういうもの」
これは世羅が目指していた事にも近い。それを、他の者も行っていたという事だ。
「三毛の兄は、自分が囮になって逃げる事で、弟を隠しているのですか……」
「三毛は無能だとして、隠した。でも、三毛は無能ではない。物凄い能力だと思う」
でも隠さなくてはいけない。
そして、未来が見える兄ならば、逃げる事も可能だ。
だから、俺は三毛を守っていたい。
「……夏目さん、道原は分かりますが、三毛もお気に入りですか……」
「気に入った」
理由は分からないが、皆、とてもお気に入りだ。
「………………分かりました」
「どうして??そんなに苦悩する???」
でも今は、朝に向けて仮眠しておこう。
了
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