第一章 三毛屋

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 庭でリゾットを食べていると、横にある納屋から、鉄雄と川上が出てきて、一緒に食べ始めた。 「夏目さん! いただきます」 「どうぞ」  鉄雄と川上はいい奴等で、俺の家の雑用を、嫌な顔もせずやってくれる。だから、俺も鉄雄と川上の分まで、飯を作る事が日常になっていた。 「夏目さん、通常社会には戻らないのですか?」 「戻れないだろう。死んだ事になっている」  地下社会は俺が生存している事を認めたので、地下社会の財産などは使用できるようになった。しかし、通常社会の死亡届けを、取り下げる事は難しい。 それは、俺の身代わりになったクローンの遺体が、あまりにも完璧だったせいだ。 「生きていました!では、戻れないのですか?」 「通常社会では無理だ」  通常社会では、遺体があれば死亡なのだ。 「それより、川上。どうして工房の看板が、一鉄夏目工房になっている?」 「一は俺の名前で、川上一機の一です。それと鉄雄の鉄、それで、前々から店を持つのならば、一鉄工房にすると決めていたのですが、夏目さんの家なので、一鉄工房夏目店にしようとしていたのです」 「そうしたら、登録がそれでは出来なくて、その本店なのに夏目店はできないとかで……」  そこで、一鉄夏目工房になってしまったらしい。 「一鉄工房でいいだろう」 「その名前には類似した店があったので、不可だったのです」  一鉄整備工場という登録が、既にあったらしい。 「では、どこかに本店を作って、一鉄工房夏目店にしよう」 「……すぐには出来ません」  しかし、登録は本物なので、修理、改造で営業しても構わないらしい。 「新規機械を作ってもいいのか?」 「武器以外ならば、OKです」  武器を作りたかった。
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