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しかし、裏社会は法律が生きているので、武器の製造は難しいらしい。
そして、鉄雄と川上は、次男同士で、家に居場所が無かった。だから、ここに住み始めた。
「それで、まあ、同居しているから三毛がいるのは分かる」
「三毛以外もいますけどね」
三毛は俺がリゾットを作るのをじっと見てから、一緒に食べ始めた。
どうも、三毛は野菜というものが、食べ物と認識できていなくて、雑草との区別がつかない。だから、俺が食べると、食べられるものだと認識し、一緒に食べ始める。まるで、野生動物の餌付けだ。
「三毛、美味しいか?」
「……美味しいです」
この家には三毛屋の看板も出ていて、三毛は少しずつ七ツ屋からの依頼も受け始めた。
三毛は画像でも過去が見えるので、かなり便利な存在だ。真贋の判断も、製造者が見えているので迷う事がない。
「横に鉄雄と、川上も引っ越ししてきているのか?」
「そうです。住居部分も作りましたので、生活可能になりました」
鉄雄は、最初から越してくると言っていたが、川上も来るとは思わなかった。すると、川上も実家は別の兄弟が継いでいるので、居場所が無かったらしい。でも、それは事前に知っていた事なので問題ない。
「それで、どうして、隼人もいる?」
隼人は、中島 隼人という名前で、年年歳歳の店員をしている。年年歳歳は、裏社会の薬局のようなものだが、薬物ならば何でも取り扱う。そして、俺の姿の元となっている薬を作ったのは、隼人だった。
隼人は当たり前のように、縁側に座ってリゾットを食べていた。
「嫌だなあ、夏目さん。俺は、夏目さんの薬を届けに来たのですよ」
「それなら、先週三ヶ月分を纏めて貰っている」
薬というのは、毛生え薬のようなもので、飲むと全身がオレンジ色の毛に覆われる。
追われる身分ではなくなったので、もうサルにならなくてもいいかと思ったが、通常社会では死んだ事になっているので、まだややこしいのだ。
「ほら、年年歳歳の薬草園もここにあるし……」
「それは、勝手に生えているだけだろう?」
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