64人が本棚に入れています
本棚に追加
/159ページ
第十一章 夜が静かになる
西海に、現場に行く必要があるのかと散々怒られたが、行くのならば同行するという。そして、何故か三毛も付いてきていた。
「車だけでは不安ですので、俺はオフロードのバイクで付いて行きます」
そして、西海は別行動で、バイクで来るという。
「俺の車!」
「運転は俺だけですが、大丈夫でしょうか?」
山道なだけで、難しくはないだろう。
「夏目ちゃん、僕が運転するよ。僕も免許を取ったんだよ。それに僕なら道が無くても大丈夫だよ」
「この車は、空を飛ぶ機能を付けられなかった……」
地下社会は運転免許を必要としない。だから、免許は必要ないのだが、道が無くては困る。
「夏目ちゃん、車は飛ぶよ」
「飛びません」
機能が無いのに飛んでいるのは、珠緒の車椅子くらいのものだ。
そして出発したが、道原は地下社会では、カーナビが使用出来ない事を知らなかった。
「カーナビが案内しません!」
「地図にない場所だから、案内出来ないだろう。地下社会も案内出来る場所はあるけど、こっちは無理」
そもそも軍事衛星でも、地下社会を映す事は出来ないので、位置が測定できないだろう。
これが鉄雄の弟、銀河の凄い所で、そんな場所でも地理が分かるのだ。そこで、英トに頼んで、意識が戻らない銀河の頭脳を利用し、新しいナビ情報を作って貰った。
「そこで、新しいナビを稼働」
「……どうやって作ったのか、怖くて聞けません」
そして、ついでに銀河の地理把握の能力を、俺の頭脳にコピーしておいたので、俺も世界中の地理が分かるようになった。
「このナビは、チャイルドワンという千手のシステムがフォローロする」
「生体を使用したものですね」
これは、千手が勝手に組み込んだ。それは、車の居場所を知る為で、常に千手へ情報を流している。その代わりに、千手は車を格安で用意してくれた。
「このナビも、銀河の頭脳を使用している。恐ろしい能力だ。衛星よりも正確に、地理を把握する」
「しかも、銀河は夏目さんと珠緒ちゃんの遺伝子を組み込んで、再生されています」
最初のコメントを投稿しよう!