妄想

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 気が付いたとき僕は、研究室の中で倒れていた。頭がぼんやりして、まるで夢を見ていたかのようだった。部屋を見回してみたけれど、何もいないし、卵の欠片らしきものもない。やはり本当に、夢だったのだろうか。  窓から見える外は、夜中の暗さだった。きっと、研究で疲れて、帰り際に気を失ってしまったのだ。考えてみれば、ひどい妄想だ。そもそもあんな卵を見つけたって僕は拾わないし、そこから何かが出てくるだなんて思わない。きっと、疲れて気を失っている間に見た夢なのだ。疲れすぎていて、夢の中でもあんな妄想をしてしまったのだ。  僕はそう考えて、部屋を出て鍵をかけた。廊下が暗い。早く鍵を返して帰ろう。そう思ったとき。廊下の先に、何か人間ではないような生き物がいるのに気付いた。
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