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27.狼の本能※
「………っんん、あ、ダリア…?」
僕は未だに両手の自由を奪われた状態で、ダリアに口付けされている。なんとか少しだけ解放された隙に名前を呼んでみたけれど、逆効果だったようですぐさま熱い舌が捩じ込まれた。
苦しいけど嫌じゃない。それはたぶん普段のダリアのことを僕がすごく好きだから。ダリアがこんな状態になるまで追い込まれているなら、僕は彼に寄り添いたい。それで少しでもダリアが良くなると嬉しい。
エプロンの上から胸を何度か撫でると、ダリアはそれを引っ張って床に落とした。シャツのボタンを外すのも億劫なようで、下から入って来た冷たい手は探るように僕の肌の上を這う。
すでに硬くなった頂に指が到達したとき、僕は思わず高い声を発した。クリクリと先端を弄られると嫌でも反応してしまう。甘い刺激に身体の熱が集まって来るのを感じた。
「……ん、ふぅ…っ」
「ヒューイ、気持ち良いのか?」
「あ、きもちぃ……痛っ!?」
僕が酔っていた甘い愛撫はいきなり強く激しい痛みに変わった。ダリアはあろうことか、その突起を思いっきり噛んだのだ。皮膚がヒリヒリして痺れが頭まで上ってくる。
「痛い、ダリア、噛まないで…!」
「でもお前は喜んでる」
指が掠めたのはズボンの下で勃ち上がった僕の雄。カチャカチャとベルトを外されれば、サイズが合わないズボンはすぐに重力に従って脱げた。
下着の上からぐりっと先端を抑えられる。恥ずかしいほどに濡れていることにきっとダリアは気付いたはずだ。先走りを擦りつけるように何度か指はその先を撫でた。
「んあっ……刺激強い、もっと……」
「もっと強くしてほしい?」
「………っん、」
「ヒューイは変わってるな。乱暴に口内を犯されて、乳を噛まれてもまだ続けてほしいなんて」
くつくつと笑う声に僕は顔がカッと熱くなった。
ダリアはこうやって僕の羞恥心を高めてきっと楽しんでいる。僕が恥ずかしがれば尚更に彼自身も喜んでいるのが見てとれた。本当に良い性癖だと思う。
「んひぃ……!」
二つの突起を引っ張られれば、痛みで変な声が出た。
「ヒューイ、嫌だったら突き飛ばしてくれ」
「あ……え?」
「きっと自分の意思じゃ止めれないから」
言いながらダリアは僕を抱き抱えて寝室へと歩き出す。ズンズンと進む彼が突進したのは背丈の低い棚で、中身を引っ掻き回して香油の瓶を掴むとすぐに僕をベッドの上へ下ろした。
緑色の磨りガラスの瓶に入ったトロッとした液体が、ダリアの左手の上に注がれる。瓶をサイドテーブルの上に置いて、右手でダリアはその不思議な液体を掬った。この液体はきっと魔法の何かだ。だって、僕はこれを塗ると本当に変になってしまう。
自分が自分じゃないみたいに。
「……んあ、あ、ダリア…!」
ひんやりとした液体をダリアの指が僕の穴に塗り込んでいく。膝まで脱がされた下着がなんだか恥ずかしかった。
「ヒューイの穴、ヒクヒクしてる。なんで?」
「知らない…!ほんとに知らない!」
「嘘吐きにはお仕置きしないと、」
「え……?……ッひぁ…!?」
それまで冷たい部屋の空気に触れていた尻に、熱く湿った何かが押し当てられた。それは表面がざらざらしていて、僕は鈍くなっていく頭を回して自分の尻穴を弄っているものがダリアの舌であることを理解した。
「そんな場所…っん、きたない、からぁ……!」
「ヒューイは全部綺麗だ。それにもう柔らかい」
「………!」
「挿れても良い?」
「……んぅ」
「ごめん、優しくできないかもしれない」
返事をする前に、硬くなった剛直は僕の尻に挿入された。身体の準備が出来ていたためか、はたまた僕が彼を気持ち的に受け入れていたからか、ひと突きで随分と深いところまで侵入を許してしまう。
声にならない声を発しながら、意識が飛ばないようにシーツをギュッと握った。
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