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少し寒さも和らいだ5月の乃愛の29歳の誕生日、私は乃愛と一緒に紗季のお墓参りに行くことにした。
乃愛の誕生日の日は、紗季の命日でもある。
私がお墓の掃除をはじめると、乃愛も一緒に手伝ってくれた。
その後、僕が線香を供え手を合わせてお祈りをすると、続けて乃愛もお祈りをした。
帰りの車の中で乃愛が、
「お父さんは、お母さんのお墓の前で何をお祈りしたの?」
と質問してきたので私は、
「『これからも天国から見守ってほしい!』
とお母さんに話したよ!」
と答えた。
「それより乃愛は何をお祈りしたの?」
と私が質問すると乃愛が、
「『だらしないお父さんだけど、お母さんの代わりに私が面倒見るよ!』
とお母さんに伝えたよ!」
と答えた。
私が、
「何だと~」
と言うと乃愛が大声で笑い出した。
私は乃愛の笑顔を見て、
(紗季、本当にありがとう!)
と乃愛を産んでくれたことを紗季に心から感謝した。
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