妻に会いたい

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私は、このお店のことを聞いてみた。 「今日は、インターネットでこのお店を見つけて来ました。  このお店は、天国に旅立った大切な人と再会することができると紹介されていました。  これは、どういうことなのですか?」 老紳士は、優しそうな笑顔で、ゆっくりと静かに答えてくれた。 「信じることはできないかもしれませんが、すでに他界した方と会って話をすることができます。  ただし、時間に限りがあって、10分程度です。  それから、会うのは1度しかできません。  どうしてそのようなことができるのかは、申し訳ありませんが秘密です。」 私が、 (信じていいのかな?) と疑問に思っていると、さらに老紳士が、 「申し遅れました。  私、『神木(かみき)』と申します。  この店の経営者です。」 と言って、名刺を手渡してくれた。 私が、どのように話を切り出そうかと考えていると、 「お客様は、お会いしたい方がいらっしゃるのですか?」 と老紳士が尋ねてきた。 私は、思い切って話を進めてみることにした。 「はい、28年前に他界した妻と会いたいです。」 老紳士が、 「そうでしたか…  では、お話を伺います。  あちらにおかけください。」 と言って、テーブルとソファーがある場所に案内してくれた。
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