創作アドベントカレンダー 24

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【12月1日】 「アドベントカレンダー?」 「そう! クリスマスまで毎日ひとつずつ開けてってカウントダウンするんだ」  帰りがけに「話がある」と言われ、月冴と共に立ち寄った公園。ふたりでベンチに腰掛け話をする中で、月冴がスクールバッグの中から取り出したのはB5サイズくらいの箱だった。  クリスマスらしい絵柄で装飾された、本のように開くことのできるそれには小さな窓があり、1から24まで数字が振ってある。そして、一箇所ずつ押し開けられるようにミシン目が入っていた。 「そんなのがあるんだな」 「それでね、一緒にやらない?」 「アドベントカレンダーをか?」  窺うように訊ねてくる彼の、瞳の奥にキラキラとした光が見える。  互いの誕生日の次に近いイベントがクリスマスだ。  普通の恋人がするように、どこかにでかけたり食事をしたり、そんなありきたりな過ごし方もいいだろう。  けれど、どうせならふたりだけの、ちょっと特別なクリスマスの迎え方もいいかもしれない。 「俺でもできる?」 「もちろん! 全然難しくないよ~、あのねぇ……」  楽しそうにルールを説明する月冴の横顔を見つめると、自然と頬が緩む。 (月冴、楽しそう)    こうして、俺と月冴の、クリスマスカウントダウンが始まった。
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