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しかし、善行はやはり報われる。少年は召喚士の話をしてくれた。「魔龍使いのダイアゴナルさんは、優しくて華奢なんだ。あっははっ!」少年は笑んでいた。ダイアゴナルと言う魔龍使いの召喚士。少年が意図するとしたら、かなりの厄介者だ。しかも巨軀で骨肉隆々の様だな。「有難や有難や…。」俺は少年をひと撫でして、ダイアゴナルの居場所を自力で探すことに決めていた。「はっ!大丈夫か?お前…そんなんで魔龍に勝てるのか?少年…。」互いに向き合い真顔であった。恐らく魔龍退治としけ込む定めにない俺だろう。「止むなしか…依頼を待つしかないな。」俺は居直った。「違う違う…それでは意味がない。何の代わり映えもないだろう?況して私は少年…ダイアゴナルさんではないんだぞ?洞察しようにも高が知れてるだろ?」少年は何故俺を少年呼ばわりしたがるのか。顔を真っ赤にした少年のそれは不可解に至り、俺は撫で斬りたくなっていたのだった。
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