エピローグ

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エピローグ

「本日はイラストレーターの『優月』さんにインタビューさせていただきます。優月さん、本日はお忙しい中、ご足労いただき、ありがとうございます」 「こちらこそ、お呼びいただきありがとうございます。よろしくお願いします」 「優月さんは、先日、個展『二人の軌跡』を開かれましたが、反響はいかがでしたか?」 「とてもたくさんのファンの皆さんに来ていただけました。個展は三日間に及んだんですが、初日にグッズが完売してしまい、スタッフさんは大変だったみたいです。ちょっと自分の影響力を甘く見過ぎましたね。昔から自分を低く見積もる癖があるので直さないと」 「大反響だったんですね。私も二日目に行ったのですが、その時も多くのファンの方が足を運んでおりました。でも、確かにグッズを入れた袋は見なかったですね。カプセルはたくさん見ましたが」 「それだけはたくさん在庫用意していたんですよね。みんなコンプリートするまで回すだろうと思って。私が根っからのコレクターだからかもしれませんが」 「私もです。それで今回の『二人の軌跡』に関してなのですが、優月さんの絵は二人の女の子が色々な場所に行くというのが個性なのかなと思いますが、どうしてそのようなシチュエーションをモチーフにしていらっしゃるのですか?」 「うーんと、おそらく私の中の憧れだと思います。仲良し二人組で色々な場所に行くのって楽しいんだろうなって。インタビューでこんなこと言って良いのかわからないですが、根暗で孤独でしたから。せめて幻想の中だけは明るく二人でいようと」 「なるほど。自身の思いを秘めた作品だったんですね。もう一つ個性的なところで言えば、全てアナログで描いているんですね。デジタルは使わないんですか?」 「下書きとかで使ってます。紙に描くときが私にとっては本番なんです。普通は逆なんですけどね。昔からの付き合いである紙の方が絵を描いているって気がするんです」 「とても自分の感性を大事にしていらっしゃるんですね」 「はい。唯一の親友が褒めてくれたものですから、それだけ絶対に捨てられないんです」 「とっても大切な友人さんなんですね。まだまだ話したいことはたくさんありますが、お時間になってしまいましたので、本日はここまでとさせていただきます。本日は貴重なお話をしていただき、ありがとうございました」 「こちらこそ、ありがとうございました」 「以上、イラストレーターの『優月』さんへのインタビューでした」
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