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   今日は私の25歳の誕生日。だから、達也が私のお気に入りのケーキ屋さんの誕生日ケーキを予約してくれていた。  ソファーから立ち上がった私は、幸せな気分で達也の背中を追いかける。  達也は、私の婚約者だ。来月の大安の日曜日に結婚式を挙げることが決まっていて、二ヶ月ほど前から一緒に暮らしている。 「都ー、フォークとお皿出して」 「はーい」  テーブルに食器を用意して四号サイズのホールケーキを出すと、達也が蝋燭に火をつけてくれる。 「都、誕生日おめでとう」 「ありがとう」  ケーキの写真を撮ってから、蝋燭の火を吹き消す。  達也とふたりで仲良くケーキを食べてから、私は撮ったばかりの写真をアプリで加工した。 《25歳になりました! 今年は特別素敵な年になりそうです》  私の結婚を知っている人だけに匂わせるような一文を添えて、誕生日ケーキの写真をSNSに投稿する。すぐに反応してくれる友人達からのコメントに応えていると、DMが届いた。  苺のパフェのアイコンの、フォロー外のアカウントからだ。イタズラの可能性を考えて開けずに削除しようかと思ったけれど、Masanoriいうアカウント名にひっかかるものを感じる。  少し迷ってからDMを開いた私は、思わず目を瞬いた。 《都、25歳のお誕生日おめでとう。いつも都の幸せを願っています。父より》  DMの送り主が父を名乗る人物だったからだ。
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