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変な声といっしょに飛び出たぱりぱりのチキンの皮を、ユウは淡々と指で俺の口に押し込めながら続ける。
「アキも中等部までラクロスやってたんだから、運動部のことまったくわからないわけじゃないだろ」
週ニのみ活動のゆるーい、部活じゃなくて同好会だよ。まあまあ強豪のK学園バレーボール部に俺が入れる気はとてもしなかった。だから、ユウと帰る時間を合わせたくて半ば適当にラクロスを選んだのだった。
「マネージャーなら、朝練がある日もいっしょに学校行けるし、放課後もずっといっしょにいられる。遠征も合宿もいっしょに行ける」
いっしょに、いっしょに、って何回言うんだよ、ユウ。
「でも…」
「まだ十六で高校生だから結婚はできないし、いきなり熟年夫婦にはなれないけど、」
「………は…?」
「現時点で、少しでも多くの時間をいっしょにいられる方法を考えてみた」
ユウは至って真顔だった。
「あれは、ただの冗談だろ…」
クラスのやつらにいつだったか、野次られたことを思い出した。
お前らもういっそ、結婚しろ。もはや熟年夫婦だな。
男子校でよくある、罪のないからかい。
なに本気で受け取ってんだよ。言った当人だって、もうとっくに忘れてるよ。
がっしゅく? けっこん?? まだ十六だから? じゃ、十八歳になったら? はたちになったら??? 俺たちはどうするの?
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