2月14日

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学食でいつものAランチ。 幼なじみで、クラスさえも同じだから話すことがなくなって、ときどき俺たちは無言になる。ユウは元々ぺらぺら話すタイプじゃないし。 なにも話さない時間も、俺はユウの横顔を飽きることなくながめてる。 「考えたんだけどさ」 ふいにユウが口を開く。 なにを? 「ユウー、肉あげよっか?」 ユウはまだ魚介類ブームだ。 「ひときれ交換して」 「食いたいんじゃん、肉。結局」 「ホタテフライ一個と交換じゃ割に合わねえな」 みみっちいな。 「じゃあチキンふたきれでいーよ」 で、なにを考えたんだって? 「俺らの学年のマネージャー、元々少なかったのが一人、親の転勤でアメリカについてくからって三月でいなくなるんだよ」 「そうなんだ。大変だね、高ニになってから海外住まいなんて」 「あっちの大学に進みたかったからちょうどいいらしい」 チキンソテーをユウの皿に乗せてやる。 「ねー、タルタルソースいっぱいつけたい」 俺はソースの小皿にフライを沈める。 「つけすぎだろ…予備校って週1とかだろ?」 予備校? あんまり真面目に通ってないけど。話が飛んだような。なんの話をしてたんだっけ? 「アキ…お前さ」 「ん?」 「うちのバレー部のマネージャー、やらね?」 「………ふぇっ?」
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