プロローグ

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私が小学四年生の頃、おままごとのドレッサーをもらった。 小学生の幼稚な心で大人っぽいドレッサーを欲しがった。 お母さんとお父さんはピンクのthe女の子みたいなドレッサーをくれた。 リボンとかキラキラのビーズとかがたくさんついたドレッサーだった。 もらってからしばらくはドレッサーの前で美容師さんごっことか、絵の具の筆でメイクをしている気分になった。 一回、水彩絵の具でべちゃべちゃになった私の顔を見て、お母さんが叱ってたっけ。懐かしいな。 小学校を卒業してからはドレッサーを使わなくなってしまった。 部屋の隅に置いてあるドレッサー。 掃除はしていたからホコリはたまらなかったけど、なぜか寂しさを感じた。 そんなドレッサーにもう一度向き合う日が来るなんて思ってもなかった。
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