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それから、葉月は富樫の看病に専念した。
おもしろくないのは西沢組若頭安藤だ。
西沢を慕い、ずっと六年間葉月を守ってきたのは安藤だった。
それなのに、急に現れた富樫の存在は許せなかった。
(ずっと姐さんを放っておいたくせに、姐さんも姐さんだ)
安藤は夜遅くに葉月の元を訪れた。
「安藤さん、どうされたのですか」
理玖はぐっすり眠っていた。
「姐さん、俺の忠告無視したんですか」
「えっ」
「姐さんは組長の妻なんですよ、そしてこの西沢組を背負っていかなくてはなりません」
「そんな大役私には無理です」
「俺が姐さんと一緒になって、西沢組を守ります」
そう言って、安藤は葉月の腕を引き寄せ抱き締めた。
「俺は姐さんを愛しています、富樫には渡さない」
安藤は葉月の唇を塞いだ。
「うう~ん」
舌を絡ませて、葉月の胸に触れた。
「やめて、安藤さん」
「葉月、俺のものになれ」
安藤は葉月の首筋に熱い息をふきかけた。
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