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私の家は、全員が偏差値78の閉成高校(へいせいこうこう)出身である。 そんな一家に生まれた詩音は、小さいころから勉強も、親はあまり得意でない運動もできていた。 こんな毎日がいつまでも、いつまでも続くと思っていた… 中1、2学期の中間テスト。 私は今までじゃ絶対にあり得ない点数を取っていた。 お母さん「は?全教科60点以下?あり得ないでしょ?」     「なんでこんなひどい点数なわけ?私たちに恥かかせないでよ!?」 パシッ! (痛い、な) 親にたたかれるようになったのはいつだったからだろうか。 お母さんも、お父さんも機嫌が悪いとしょっちゅう叩かれたり、殴られたり、蹴られたり… あぁ、思い出した。小学5年生の時だ。私が、初めてテストで70点台をとった時。 あの時はすっごく痛かったなぁ。もう慣れたけど。 お父さん「おい!何とか言えよ!」     「お前のためにどれだけ金かけて、時間かけてると思ってんだよ!」     「これじゃ妹もろくに育たないだろうが!?!?」     「お前聞いてんのか!?」 うるさいなぁ。近所迷惑なるでしょ。本当にさぁ。謝りに行くこっちの身にもなってよね。 それに、お前のためって何?私の人生はあなた達のためにあるわけ? 本当なんなn((ボコッ! 詩音「…っ!」 今までで1番強くて、痛い。 蹴られたお腹が、とても、痛い。 (これ、いつまで続くのかな…) 期待されることはわかっていた。 小さい頃は、勉強も、運動も、何でもできていたから。 でもそれは、少しだけ才能を持っていたから。 才能があるからって、全く努力をしようとしなかったから。 努力しなかった私も悪いのかもしれないよ?でも、暴力振るうのは違うでしょ!? お母さん「うずくまってないでさっさとどいてくれる?邪魔なんだけど!?」 (はぁ…面倒くさ。っていうか、部屋で勉強しないと) 中学生になって、勉強が一気に難しくなった。 今まで自分の少しの才能に頼りすぎていたから、全くついていけなくなった。 小学生の頃からやっていたバドミントン。 中学でも続けたいから、と入ったけれど、実際は、とってもきつい。 朝は早くから練習。早起きしないといけないから、夜に長く勉強することもできない。 土日も部活があり、勉強時間もなかなか確保出来ない毎日が続いていた。 テストの点数が低かったのは、自分の勉強時間が足りないから。 分かってはいるけれど、改善の仕様がない。 (どうしたら、いいのかな) 相談できる相手がいないから。 誰も私を助けられないから。 私を助けられる人は… (いるの、かな?)
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