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――……このままじゃ生きていけない。
昨夜は冷え込んだので、空き家に忍び込んで一夜を明かした。夜明けとともに、希望は決意をする。
――街を出よう。
できるだけ早く、できるだけ遠くに、あの人の影響がないところまで。
最初からそのつもりだった。金が出来たら、すぐにでも、と。
……でも、もっと早くそうすればよかった。
街行く人々は悲痛な面持ちで目を背ける。
心を痛めているに違いない。
こんなこと、本当はしたくないはずだ。
だけど、俺がいる限り悲しませる。苦しい思いをさせてしまう。
これ以上、黙って見ていることはできなかった。
見張られているのも気分が悪い。
あの男のもとに行くのも嫌だ。
ならばどうするか。
街の物陰に潜んでいた希望は、遠距離を走るトラックの幌が開いているのを見つけた。
出発する瞬間に、希望は走り出す。幌の隙間から荷台に飛び込んだ。
トラックは何事もなかったかのように、走り出した。
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