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僕のカレンダー
初めて出来た彼女とデート行く約束をした。
彼女の希望で初めての水族館デート⋯。
柄にもなくカレンダーに大きく丸印をつけて、浮かれて楽しみにしている事を悟られないように平静を装い、その日が来るのを心待ちにしていた。
当日、いつも制服姿の彼女とは違い
黒い花柄のワンピースがよく似合ってて可愛いかった。
水族館に向かう間も、着いてからも今にも触れそうな距離にある指先。
手を繋ぐタイミングが掴めないくて
そればっかり考えている。
魚を楽しむ余裕がない!と思いながら
水槽に目をやりつつ彼女の横顔をチラリと覗き見ると、お互いの視線が合う。
僕は静かに深呼吸をした。勇気を出せ!
「手、繋いでいい?」
「うん⋯」
初めて手を繋げた時、彼女は恥ずかしそうに俯きながらも力強く握り返してくれた。
嬉しさと緊張で心臓がドクドクして手にも伝わってるじゃないかとヒヤヒヤして水族館でのデートはあまりよく覚えていない。
覚えているのは
「一日じゃ足りなかったから、また行こうね!」
嬉しそうな彼女の顔と、少し汗ばんだ手の温もりだった。
楽しい時間はあっという間だったな。
あの時、時間が止まってくれれば良かったのに…
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