§休日の朝§

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わたし 華月 美世音 (かづきみよね) 「あのぅ…」 男性は、ハイライトの無い目で こちらを見上げる。 ぼろ服の男 「ぁ…う…」 かすれた声で、うめく彼は 話す事が難しいのかな… わたし 華月 美世音 (かづきみよね) 「これ、食べれます…?」 コンビニの袋を見せると 目の色を変えた男性は その袋を、わたしから奪い取り 荒々しくおにぎりを取り出して 包装をビリビリに破き 勢いよく、おにぎりを食べていく。 そのあとすぐ、サンドイッチもとりだして 包装をビリビリに破き、がっついていくものだから 立って見ていた私は しゃがんで、その様子を見つめる… あ、袋に入っていた ペットボトルに気づいたみたい そのお茶も、がぶ飲みしていき ようやく落ち着いたみたい。 ぼろ服の男 「ぷはあ…!あ、し…失礼を… 何ヵ月も食べていなかったもので…」 わたしは、その男性に微笑みかけた。 わたし 華月 美世音 (かづきみよね) 「でしょうね…大変だったと思います それで…実は、住み込みで 働いてくれる人を探していまして…」 コンビニの袋に包装と空になった ペットボトルを入れて片付ける彼の動きが止まって こちらに顔を向けてきた。 ぼろ服の男 「ぜ、ぜひ!僕で良ければ! 働かせてください!なんでもします!」 わたしは、頷き 立ち上がって 彼に手を差し伸べる。 わたし 華月 美世音 (かづきみよね) 「立てますか…?」 男性は、わたしの手を取り ふらりとしていたものの立ち上がった。
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