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Der Mond.ーリオンとウーヴェー
年明けまでのクリスマス休暇に突入した世間は日頃の喧噪からは程遠い静かな夜を迎えていて、真冬の寒さを感じているのかいないのか、自宅バルコニーの手摺りに手を付いて寒さ故に澄んだ夜空を見上げているのは、実家とも言える教会の一年で一番忙しいと言えるイベントを無事に乗り越えた安堵と己と伴侶の誕生日会も無事に終わって胸を撫で下ろしていたリオンだった。
リオンが今空を見上げているのは自宅アパートのバルコニーだったが、さすがに真冬の今はそこで食事をする気持ちになれず、天候が良いときには二人並んで腰を下ろしていたチェアやテーブルには防水シートが掛けられて暖かくなる日を心待ちにしているようだった。
そんなバルコニーの手摺りに上体を預けてぽっかりと浮かぶ月を見上げていたリオンは、背後のドアが開いたことに気付いて顔を振り向ける。
「オーヴェ、オーヴェ!」
この寒いのに外に出て平気なのかと問いかけたくなるのを堪えている顔の永遠の恋人であり魂の片割れとも言えるウーヴェの名を連呼し、微苦笑されて手招きをする。
「どうした?」
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