みどり(影山飛鳥シリーズ01)

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第17章 謎の女 三人の会話はまだ続いた。 そう。 いったい中野緑の住民票は何故取得されたのか。 そしてそれは何の目的で取得されたのか。 この件に関して、楢本は関与していないということであれば、その謎が残された。 「でも、色々と考えると、 中野さんの緑が丘の住所を知ることだったのではないでしょうか?」 鈴木が口火を切った。 「すると更に何故? という疑問が出て来るね。」 影山がそれに言葉を浴びせた。 この二人の探偵に、何故自分が大きく関わっているのか、多少不思議な思いがしながら楢本も、彼ら同様に、真剣にその問題に神経を集中させていた。 「その女をつかまえない限りわからないのでは?」 楢本は考えるより、行動という性格であった。 「ひとつの仮定として、殺された秋田とその女が関係があったということも考えられるね。」 秋田とその謎の女・・。 もしこの二人が関係があったら、面白いな・・と楢本はそう考えた。 「じゃあその件は俺が当たってみるよ。」 そう言うが早いか、楢本は出掛ける支度を始めた。 「楢本さん・・大丈夫ですか?」 「ああ、任せておきなよ。」 「ではそろそろ僕らも退却するとするか。」 影山はそう鈴木を促して、楢本のアパートを後にした。
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