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第17章 謎の女
三人の会話はまだ続いた。
そう。
いったい中野緑の住民票は何故取得されたのか。
そしてそれは何の目的で取得されたのか。
この件に関して、楢本は関与していないということであれば、その謎が残された。
「でも、色々と考えると、
中野さんの緑が丘の住所を知ることだったのではないでしょうか?」
鈴木が口火を切った。
「すると更に何故? という疑問が出て来るね。」
影山がそれに言葉を浴びせた。
この二人の探偵に、何故自分が大きく関わっているのか、多少不思議な思いがしながら楢本も、彼ら同様に、真剣にその問題に神経を集中させていた。
「その女をつかまえない限りわからないのでは?」
楢本は考えるより、行動という性格であった。
「ひとつの仮定として、殺された秋田とその女が関係があったということも考えられるね。」
秋田とその謎の女・・。
もしこの二人が関係があったら、面白いな・・と楢本はそう考えた。
「じゃあその件は俺が当たってみるよ。」
そう言うが早いか、楢本は出掛ける支度を始めた。
「楢本さん・・大丈夫ですか?」
「ああ、任せておきなよ。」
「ではそろそろ僕らも退却するとするか。」
影山はそう鈴木を促して、楢本のアパートを後にした。
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