みどり(影山飛鳥シリーズ01)

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第46章 影山の推理 時間が少し流れた。 影山はカップをテーブルに置くと、 自分はこう思うと彼が思っている推理を話し始めた。 「凶器は植物だね。」 「ですよね。やっぱり。」 「ただトリカブトではなさそうだね。」 「そうですか?」 「大庭さんのお父さん、つまり秋田元の手紙から察すると、もしトリカブトの毒であれば、そう書かれていたと思う。」 「確かに、植物の専門家ですから。」 「その植物が一連の事件の凶器ではないかな。」 「一連と言いますと?」 「猿に始まり、秋田、中野・・。」 「・・・て動機って何ですか?」 そこで影山は少し間を置いた。 「それを明らかにしに行こうか?」 「え? どこへですか?」 「その研究所に。」 「え!」 鈴木が当惑しているので、もう少し補足する必要があるだろうと影山は思った。 「その植物の秘密を守るために、その植物を使ってその秘密を知った者を殺したのではないかな。」 あ! その時鈴木は、前に影山が言った言葉を思い出していた。動機が凶器とはこのことかと思った。 「問題はその植物がどんなものかだな。 植物の専門家の秋田でも未知のもの。 もっと言えばその秘密を守るために、 殺人が起きるレベルのものなのだから。」
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