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第46章 影山の推理
時間が少し流れた。
影山はカップをテーブルに置くと、
自分はこう思うと彼が思っている推理を話し始めた。
「凶器は植物だね。」
「ですよね。やっぱり。」
「ただトリカブトではなさそうだね。」
「そうですか?」
「大庭さんのお父さん、つまり秋田元の手紙から察すると、もしトリカブトの毒であれば、そう書かれていたと思う。」
「確かに、植物の専門家ですから。」
「その植物が一連の事件の凶器ではないかな。」
「一連と言いますと?」
「猿に始まり、秋田、中野・・。」
「・・・て動機って何ですか?」
そこで影山は少し間を置いた。
「それを明らかにしに行こうか?」
「え? どこへですか?」
「その研究所に。」
「え!」
鈴木が当惑しているので、もう少し補足する必要があるだろうと影山は思った。
「その植物の秘密を守るために、その植物を使ってその秘密を知った者を殺したのではないかな。」
あ!
その時鈴木は、前に影山が言った言葉を思い出していた。動機が凶器とはこのことかと思った。
「問題はその植物がどんなものかだな。
植物の専門家の秋田でも未知のもの。
もっと言えばその秘密を守るために、
殺人が起きるレベルのものなのだから。」
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