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第6章 依頼
私はインターネットで、影山飛鳥の事務所を調べて、そして早速訪れることにした。
影山飛鳥の事務所は正しくは、「グリンエア探偵事務所」という名称だった。
依頼の内容はストーカーの件だった。
実害はなかったけれど、実際それがあってからでは遅いし、それでとりあえず、どう対処したらいいのか、それを私は聞きに来た。
「するとストーカーの被害は、誰かに住民票を取られたということなのですね。」
「はい。」
「それ以外に尾行されたとか、無言電話が掛って来たとか、そういうことはなかったのですね。」
「はい。まだそこまでは・・。ですので、
今日はそういうことがないように、どう対処したら良いかを伺いに来ました。」
「わかりました。」
私はまず私の代わりに住民票を取りに来た女性について、何か思い当たることがないかを聞かれた。でもそういう女性と何かトラブルがあった記憶はないし、そもそもトラブルに発展するような出来事は、ここずっとあった覚えはなかった。
確かにそれも、私が気がついてなくて、そういう関係になってしまった人がいるのかもしれないと
言われればそれまでだけど。
探偵は、市役所に現れた謎の女性を探ることから始めようと言った。私は、それが却って相手を挑発することになりはしないかと、不安を述べた。
それに対して探偵は、何かあった時に、こちらが先手を取るためには是非必要なことだと説明した。
もし相手がこれ以上何もして来なければ、そこで知った情報は封印をするが、もし何かを仕掛けて来た場合には打つ手が確保されていることが、一番大事だと言われた。
私は探偵に全て任せると言って、その事務所を後にした。
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