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しかし、そこでつくづく思ったのは、相も変わらずひたすらトラッド、オーソドックス、コンサバであると言うことだ。何というか、予定調和なんである。エッジイやロックのかけらもない。ずっと他の人たちのコーデを見続けてきて、ようやく去年えいやと手に入れたダメージジーンズですら、どうしても穴の大きさが気になり、わざわざかがって小さくしたりした(しかも家族からは似合っていないと首を傾げられる始末)。
だから件のYouTubeでも、スタイリストの方々のエッジイなコーデを目を皿のようにして観、何ならメモも取ったりしている。エッジイさはスパイスだから、それがあればピリッと引き立つし、無ければ何となく小綺麗なだけで終わってしまう。
つい一気観してしまった、メークアップアーティストの“化け子”さんとベテランスタイリストの西ゆり子さんとのコラボ企画でも「常に風通しを良くして前進すべき=流行は必要」「エッジイなファッションは自分の人生を一歩踏み出すこと」と耳の痛い格言が乱れ飛んだ(西さんの品のある口調で繰り出される名言は数知れないので、ご興味のある方は是非動画をチェックされると良いと思う)。
そうか。
好きなモノは結局変わらないなあ、などとご隠居がキセルをポンポンやりながら縁側で背中を丸めているようじゃいかんのか。前回、ミュンヘンに戻ってきて姿勢はもう緩められないなどとは書いたが、ファッションもアップデートしていかないことには“人生を踏み出していない”ことになり、ひいては攻めていないことになるのかもしれない。
ファッションは生き方そのもの、とはこういうことか。
自分の好きで心地良いモノたちをお供にどう攻めて行けるのか、今日もまたクローゼットを前に腕組みをしている。
追伸:エッセイを書いている間にあれよあれよと雪が降り積もり、今日は中庭一面が銀白色に覆われてしまった(昨夜の写真をアップしておきます)。果敢に散歩に出てきた二軒先の黒猫が1分も経たずに猛スピードで戻って行く尻尾の先が、ちょろりと見えた。
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