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はじめに
バイエルン地方特有の冬の大風が吹き荒れている。
目の前の、豆電球をまとったクリスマスツリー3本が右に左に揺れている。中庭を挟んだ向こうの棟には9軒の部屋の灯りがまだこぼれていて、勝手に嬉しくなる。
こちらに向かい合うようにしたハイテーブルで、同じくらいの年代の金髪の女性がiPadらしきものを熱心に見ているのが窓際に浮かんだ。何だろう、ドラマかな、それとも小説、いや新聞記事とか?ハロー、私も起きてますよー、それでエッセイなんか書いてます。思わず手を振りそうになって慌てて我に返った。夜の連帯感である。
そんな連帯感を、週末のいつかにこのエッセイを読んで頂くことで、ふわりともてたらなあ。いや週末でなくても、通勤電車の早朝でも、ランチのオーダー待ちの時間でも、ちょっと一息いれる午後でも、ポカンと空いた夜でも。もし皆さんのいっときにお邪魔出来るならそれほど嬉しいことはありません。
毎週金曜日、皆さんのお越しをお待ちしております。
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