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何故そこに視線が行ったのか分からない。
何かに引き寄せられたのか、それとも偶然だったのか。
いつものサークルの飲み会。
ほとんど飲みサーと化しているこのサークルの、いつものメンバーのいつもの飲み会なのに、そこに居たのは初めて見る顔だった。
第一印象は冴えないやつ。
派手な格好の奴らの中で、そいつはまるで場違いなように地味で垢抜けなかった。
席を間違えたのかと思うほど浮いたそいつは、誰とも話さず一人で座っている。
それは、ほんの些細な興味だったと思う。
いつもならそんな奴シカトするのに、その時の俺は多分酔っていた。だから飲んでいたグラスを持って、そいつの隣に座った。
突然横に座られて、そいつは驚いたように俺を見た。その目が、思ったよりも綺麗だった。
地味で冴えなくて格好もダサくて、見たまんま田舎者なのに、長い前髪に隠れたその瞳は驚くほど澄んでいた。
汚したい。
なんでそう思ったのだろう。
俺はまだ何ものにも染まっていないそいつを、酷く汚したいと思った。それはまるで、薄く降り積もったまっさらな雪の上を歩いて、足跡で泥だらけにするように、この無垢で純粋なそいつを俺の手でぐちゃぐちゃにしたかった。
だから俺はそいつに酒を飲ませて酔い潰すと、送ると言って自宅に持ち帰った。
そいつに酒を飲ませながら、俺もそれなりに飲んでいた。だから自分で思うよりもかなり酔っていたのだと思う。そうでなければあんなこと、出来るわけが無い。
俺は酔って意識のないそいつをベッドに寝かし、そして・・・。
俺は今まで、女と付き合ったことはあっても男とは無かった。性欲を満たすのに女には困らなかったし、男に言い寄られても気持ち悪いだけだったから。なのに、裸に剥いたそいつの身体に、俺は酷く興奮した。
自分の中にそんな衝動があるなんて知らなかった。どんなにいい女の裸を見ても、見るだけでは身体は熱くならなかったのに、そいつの身体は見るだけで俺の中に熱い欲情を掻き立てた。
痛いくらいのその衝動に突き動かされるまま、俺はそいつを抱いた。
男相手のやり方なんて知らない。だから俺は女と同じようにその穴を濡らし、そして無理やりこじ開けた。
相当痛いのだろう。
そいつは意識のないまま暴れだし、俺から逃れようとする。けれどその姿にさらに俺は興奮し、力ずくで押さえつけ、そして腰を進めた。
全部入るのに、かなり時間がかかったと思う。
中は狭くて熱くて、まるで中の肉棒を引きちぎらんばかりに締め付ける。痛いほどのその締めつけに、けれど俺の興奮は冷めるどころかどんどん熱くなる。
俺は夢中になって腰を振り続けた。
どれくらいそうしていたのか。
何度達しても足りない。
どれだけそいつの腹に精を打ち込んでも満足せず、萎えることの無いそれを俺は抜かずにひたすら打ち込み続けた。
そいつは一度意識を取り戻したのか、途中ぱっと目を見開き俺を見たが、またすぐに閉じてしまった。恐らくまた意識を失ったのだろう。だけど俺はそんなこと気にも止めず、欲望のままそいつを犯し続けた。
そしてふと我に返った。
もしかしたら寝ていたのかもしれない。
気がつくと隣で、精液塗れのそいつが死んだように横たわっていた。
酷い有様だった。
突然の衝動にゴムすら付けずにやり続けたため、そいつの身体は二人分の精液に塗れていた。しかも顔は涙と唾液で汚れ、足の間からは血も流れていた。
その姿は、どう見ても強姦されたあとだった。
自分のした事を覚えている。
そこにそいつからの同意はなかった。俺が意識のないそいつを、一方的に犯したのだ。だからそれは、紛れもなく強姦のあとだ。
俺の中に何とも言えない感情が湧き上がる。
罪悪感とも捕まる恐怖とも違う。それは穢れのないものをこの手で汚した満足感だった。
俺のものだ。
唾をつけるという言葉があるが、この時の行為がまさにそれだった。
これでこいつは俺ものになった。そう思うとそいつが可愛くて仕方が無くなる。だから目を覚まして怯えるそいつに言った。『可愛かったから我慢できなかった』と。
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