41人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後の教室で、咲耶は難しい顔で紙と睨めっこをする。
「さーくや! 何やってるにゃ?」
そんな咲耶にクラスメイトで親友のネムは元気に抱きつく。
「咲耶ってばまたコンちゃんから課外授業科されたの?」
困った咲耶ねと肩に乗るパンダのリーリーを撫でながら、シャオランが呆れたように話しかけて来た。
「違うし。課題はもう終わったってーの」
シャーペンをカチカチしつつ咲耶は反論。
「じゃじゃーん。忍スタ攻略計画! 目指せインフルエンサーへの道」
「おん? まだ諦めてなかったにゃ?」
おイタが過ぎるとまたコンちゃんに異界に飛ばされるにゃ? とネムは揶揄うように笑う。
「"出していこうよ!"のコンセプトは変えないんだけどね。誰にも迷惑かけない形で楽しく忍術宣伝できたらなって」
にしししっと笑う咲耶はコレから先の"やってみた、レポート"を見せる。それは、この学校の日常風景と学生忍者の奮闘する姿。
「もち、同意書取るし、顔バレ、身バレしないように加工も工夫もするし。まぁ、企画通すにはまだまだ課題山積みだけどさぁ」
何よりお祖父様とコンちゃんの許可いるしと肩を竦める。
「でも、諦めない。だって忍者楽しいじゃん?」
会社と忍者の未来は私が守る! と咲耶は胸を張る。
そんな咲耶をみて、パチパチと瞬きしたネムとシャオランは、
「うしゃぁ、このネム様が付き合ってあげるにゃ」
「ふふ、しょうがない咲耶。シャオランとリーリーも手伝ってあげる」
3人寄ればなんとやらよ! と咲耶の背を押す。
「さっすが! 2人とも頼りになるぅー」
勿論、リーリーもと笑った咲耶は、
「じゃ、早速コンちゃんにプレゼンしに行こ!」
行動あるのみ! とスマホを片手に走り出す。
「咲耶、早いにゃ!!」
「あ、待ってよー」
そんな咲耶を追いかけて、ネムとシャオランも教室を飛び出しパタパタと走り出す。
「インフルエンサーに私はなる!」
キラキラと目を輝かせて夢に向かって爆速する咲耶。
だが、今回ネットとの付き合い方を反省した彼女はもう自分勝手な投稿はしないと誓う。
そんな咲耶の夢が叶うかは、これから先の物語。
最初のコメントを投稿しよう!