1回転

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目が覚めるとやけに静かだ。 みんな帰ったのか? 「急に寒くなったな」 俺はヒーターをつけようと探した。 「待てよ?」 なぜ俺は家にいるのか。 誰かが介抱したのか? いつも酔い潰れるまで飲むため、記憶が錯乱している事が多いが、何か異常な感じがする。 今はまだ九月だ。 何か寒すぎる気がする。 念のために外へ出てみると、家の前を通る川に地面と同じ高さまで雪が積もり、降りしきっていた。 俺はふるえた。 寒いからではない。 五十年生きてきてこんなことは起こらなかった。 まるで秋をすっ飛ばして冬が来たかのようだ。
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