1回転

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次に、トースターにセットしておいた二枚の食パンが焼けたので平たいお皿に盛る。 百合子と謙は少食なのでハーフカットし、好みも似ているのでマーガリンを塗った。 俺は丸々一枚に苺ジャムを塗り、喉が渇いたので先ほどのホットコーヒーを手に取った。 インスタントといえど香りはよく、火傷しないように啜ると、舌の上に程よい苦味と酸味が広がる。 料理が出来上がると、部屋の埃が気になり始め、文字通り時間を忘れた。 すると黒電話が鳴った。 「はい」 「ああ親父か、四郎やけどな。今日仕事休みやから実家帰るわ」 四郎は、上機嫌だ。 ふと百合子の方を確認すると彼女の顔は汗ばんでいた。 「四郎…して…」
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