第4章

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 俺は、息も絶え絶えになりながら彼女に語りかけた。  「なぁ……逢いに来たよ! どうやらこれが最後になりそうだ。君は、そこに居るのかい? はぁ、はぁ……」  薄れ行く意識の中で、キラキラと金色の光に包まれた彼女を見た。  「来てくれたんだね……」  その言葉を最後に、俺は永遠の眠りについた。 そして今……俺の前には、翼をひろげた彼女が立っている。  「君は昔と変わらないんだね」  『うん、貴方もね』  俺の横には、車椅子で抜け殻になった70歳の俺が嬉しそうな顔で息絶えている。  「……やっと会えたね!」  そして俺達は、翼をひろげ永遠の旅へと飛び立った。  『今度は私、貴方について行くから!』 ……了……
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