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近い内に聞かされる事になるであろう娘の告白を知り、課長さんは頭を抱え込んだ。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ〜、いやぁ、正直複雑だよ。けど、教えてもらって良かった。もう腹をくくれってね……ちゃんと、明と話し合ってみるよ。ありがとう」
ほとほと困っている様子で笑顔は引きつっていたけれど、課長さんの瞳は明るい未来を見透しているようだった。
そして……私を見て、まるで私の未来も確かめるみたいに問いかける。
「……冬咲さんは? もう大丈夫?」
「私? ……はい。運命に逆らわず、生きていこうと思います」
今日、ナツユキカズラに出逢えたように。
いつかまた、何処かで――――――
初雪の花びらにささやかな想いをこめて、きらめく夏の青空に見送った。
*
心を揺らした夏が終わり、秋が深まって木枯らしが吹いた頃。
明さんが課長さんと莉花ちゃんと、一緒に暮らし始めたと報告を受けた。
『籍はね……ずっと、入れるつもりはないの。孝之とも納得して決めた事で、つまりは――――ずっと、恋人でいようねって///』
幸せのカタチ。
3人で作り上げたんだなぁ……
じーんと胸が温かく、私までとてもハッピーな気持ちになった。
そして、あっという間に冬はやって来て、強い寒気が都心を凍えさせている。
ホワイトクリスマスも期待されたが、山沿いだけに薄っすらと白色のベールがかかったそうだ。
それからさらに寒さは厳しくなり年末を目前にして……
また関東に雪の予報が出された。都心でも初雪の可能性があるという。
私の心はそわそわと冬空ばかり気になっていた――――
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