七.そこはイケメンの園だがみんな揃った。

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七.そこはイケメンの園だがみんな揃った。

「おい、シャオラン! こないだの書類、全然できてなかったぞ! ったく使えねぇな! 俺が全部やっといてやったから、今夜二人っきりでメシでもおごれよな!」 「うん、わかった!」 「シャオラン先輩、僕、親が決めた結婚なんて嫌なんです! 恋人のフリして、明日、僕の両親と会ってくれませんか!?」 「うん、わかった!」 「シャオラン、俺みたいな愛憎や謀略の渦巻くエリート一族の御曹司と付き合うってことがどういうことかわかっているな? だが安心しろ、何があっても俺がお前を一生愛して守ってやる」 「うん、わかった!」 明るい笑顔で全ての誘いにうなずいて回る彼女は、大人になったシャオランであった。 廊下の端の会議室まで、一体どれほどの数の男たちが現れたであろうか。 ようやく辿り着いた部屋の扉を颯爽と開き、 「遅くなってごめんなさぁい! 企画開発部二課シャオラン、ただいま到着でーっす!」 シャオランが飛び込むと、 「久し振りね、シャオラン」 待っていたのは、腕を組み薄笑みを浮かべた咲耶であった。 が、 「うん、わかった!」 ついいつもの調子でシャオランが答える。 「何が!? じゃなくて私よ! 咲耶よ!」 「え? あぁ、なんだ、女か……。 あ、でもこっちはいい男」 咲耶を認識しているのかしていないのか、シャオランは咲耶の隣の若い男に目を向けた。 「ははは、これは嬉しいのぅ。 じゃがわしは岩爺じゃ。 久し振りじゃの」 その勇者は白い歯を輝かせて笑うと、二本の指を揃えて振った。 「え……? 岩爺って……あの三年前に異世界転生した、あの?」 「あぁ、帰って来たんじゃ」 驚くシャオランに岩爺がうなずくが、その背後から細く長い腕をからめて抱き付いてきたマオが、 「ねぇ、パンダはぁ?」 と甘えてねだる。 シャオランが目を見開いて静止した。 「あぁ、そうじゃの。 シャオラン、得意の口寄せでリーリーを召喚()んでくれるか?」
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