6人が本棚に入れています
本棚に追加
666
「いくぞォ。アリーナァーーー!」
咲耶は派手なジェスチャーで盛りあげていた。どこかで聞いたことのあるフレーズだ。
「どこへ行く気だよ」
すかさずボクはツッコミを入れた。
「えェ……?」
「ここはアリーナじゃねえェよ。ただの職員の会議室だろう」
すぐさまボクはツッコミを入れた。
「フフゥン、アリーナにしては小さ過ぎるな」
咲耶は見回して文句を言った。
「そうだろうけど、今、教職員で【666】の謎解きをしてるんだから、邪魔をしないでくれよ」
「フフゥン、すべての謎はこの忍ばない! くノ一探偵咲耶に解かれたがっているのよ」
圧倒的な自信だ。
「な、なにィ?」先生たちも驚きを隠せない。
「じゃァ、キミは校庭の【666】の謎がわかると言うのかね?」
興梠教頭が眉をひそめて訊いてきた。
「もちろん皆の者に、校庭に【666】と書き記された本当の意味を教えて差し上げよう」
咲耶は目を輝かせて微笑んだ。
「えェッ、本当の意味?」
すぐに興梠教頭や他の教師らが聞き返した。
「やめろ。咲耶ちゃん!」
慌ててボクは彼女の話しを遮った。
だが、相変わらず咲耶は空気を読まない。
「【666】とは、令和6年6月6日のことなのだ」
「えェ……、令和6年?」
校長たちも聞き返した。
「そうだ。その日、地球が破滅するのよ」
咲耶は予言を唱えた。
「な、なんだってェ。そんなまさかァ?」
一斉に教職員全員が驚きのあまり立ち上がった。
「もし何者かが、クリプト絵巻をすべて奪い取れば、破滅へのカウントダウンが始まるわ」
「おいおい、むやみやたらに動揺や不安を煽るようなことを言うな!」
慌ててボクは注意した。
地球が破滅すると言われても、ここにいる教職員たちには何ら対応策がない。
「フフゥン」
最初のコメントを投稿しよう!