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真犯人は決定!
「真犯人は龍宮寺姫香に決定!」
まるでアニメのヒロインのようにポーズつけて姫香を指差した。
「ううゥ、なんのこと?」
けれども姫香は屈しない。逆に挑発するように咲耶を睨み返した。
「フフゥン、わかっているのよ。あなたがクラスメイトに指示をしたんでしょ。そして生徒たち全員で校庭に机を並べて【666】と書かせていたんでしょ!」
「な、なにィ、クラスメイト全員でやったと言うのか?」
驚きのあまりボクは聞き返した。
「……」姫香は無言で咲耶を睨んだ。
「ええ、そうよ。イタズラもみんなでやれば怖くないってヤツね」
咲耶は楽しげに微笑んだ。
「なッなにも証拠もないクセに……。なにをふざけたことを言ってるのよ」
しかし車の中の姫香はムッとして応えた。
「フフゥン、『くノ一探偵』咲耶に証拠などいっさい必要ないの」
咲耶は名探偵には有るまじき、とんでもないことを言った。
「おいおい、そんなメチャクチャな」何を言っているんだ。
それでは当てずっぽうなのか。どこにそんな名探偵がいるというのだろう。
「バカじゃないの。行きなさい」
姫香は無視するようにそっぽを向いて運転手に指示をした。
「はァ……」黒縁メガネのイケメン運転手も困惑気味だ。
しかし咲耶はなおも追求した。
「フフゥン、姫香にはおおやけには出来ない出生の秘密があったのよ」
「えェ……?」
さすがに姫香も顔色が変わり反応を示した。
「ううゥッ出生の秘密って……」
なんなんだ。
「このことが、おおやけにバレると龍宮寺家も立場も危うくなる。そこであなたは脅迫者の言いなりになるしかなかった」
「脅迫者?」
「そう、小次郎よ。風魔忍者のね」
「風魔小次郎か?」ボクは聞き返した。
やはりこの事件には風魔小次郎が関わっていたと言うのか。
「ううゥ……!」
姫香も観念したように車から出てきた。
「可哀想だけど、かなり綿密に龍宮寺家を調べさせて貰ったわ」
咲耶は肩をすくめて苦笑した。
「ふぅん、スパイみたいなマネをしやがって……」
憎々しげに姫香は咲耶を睨んだ。
「フフッ、勘違いしないで。忍者はもともと間諜……。敵を探るスパイが主な生業なのよ。全国、至るところにネットワークを張り巡らせてあるわ」
「それは、そうかもしれないけど……」
ボクも躊躇いがちにうなずいた。
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