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風魔小次郎
「同じことよ。すべて風魔小次郎がお膳立てして、私は脅しただけ。あとは各地の小学校で【666】の事件が起きたのよ!」
姫香は悲壮な顔で懺悔の言葉を述べた。
「フフゥン、わかったわ。すべての謎は、この『くノ一探偵』咲耶に解かれたがっているのよ!」
咲耶はクルッとダンスを舞いながら微笑んだ。まるでアニメの美少女探偵そっくりだ。
「はァッ?」いったい何をする気なんだろう。
「さァ、そろそろ出ていらっしゃい!」
咲耶は車の中の運転手を指差した。
「えェッ?」
思わずボクは声を上げた。
「あなたが風魔小次郎なんでしょ!」
咲耶は続いてイケメン運転手を名指しした。
「えェッまさか…。影山が?」
姫香も目を丸くして茫然とした。
「はァ、ボクが風魔ですって……?」
運転手の影山はゆっくりドアを開けた。黒縁メガネのイケメンだ。
「ううゥッ彼が風魔小次郎なのか?」
ボクはイケメン運転手を見つめた。
「フフゥン、なかなかイケメンさんねェ」
戯けたように咲耶は肩をすくめ、笑みを浮かべた。
「いやァ、なかなかじゃないさァ」
運転手は黒縁メガネを外した。
「スッゴいイケメンだろう」
自慢げに白い歯を見せて笑った。
「あらあらァスッゴい自信ね。風魔小次郎!」
「いやァオレは小次郎じゃありませんよ」
「そう、これでも」
咲耶はボクの方へ自撮り棒を放り投げてきた。
「うッううゥ……!」なんとか落とさないように自撮り棒を受け取った。
だが次の瞬間、咲耶は手裏剣を両手でクロスさせて一気に運転手へ向かって放った。
「あ、危ない!」ボクは悲鳴を上げた。
手裏剣は次々と運転手に突き刺さっていく。
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