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確か別れた時はこれからお見合いをするって言ってたから、時間からしてその話は進められてたんだと思うけど、式を挙げるにはまだ早いから、結婚話が白紙に戻ったということかな?
頭の中は疑問マークでいっぱいだ。だけどとりあえず、オレは『あるよ』と答えた。そして何があったのか訊こうと文章を打っていると、それが終わる前にまたメッセージが来た。
『会いたい』
その言葉にオレは途中のメッセージを消した。そして新しく言葉を打つ。
『いいよ』
お互い時間が空いていて、すぐに会うことになった。どういう事かは分からない。だけどなんだかノノが落ち込んでるような気がした。
オレはすぐにいつものホテルに向かう。ノノと会う時に使っていたホテルだ。そしていつもの部屋を取ろうとフロントに行ったら、既にそこは埋まっていた。だけど、そこを取っていたのはノノだった。
絶対オレの方が早いと思ったのに。
そう思ったオレはいつもの部屋に向かう。そして鳴らしたインターフォン。応答もなく直ぐに開いたドアから伸びた手に引っ張られ、オレは部屋へと引き入れられる。
「ん・・・っ」
後ろで閉まったドアに押し付けられ、噛み付くようにキスされる。
一瞬の出来事に、けれどオレは抵抗しない。そのまま口を開くと、オレは腕をそいつの背に回した。
ぐちゅぐちゅと音を立てて合わされる唇。オレのいい所を知り尽くしている舌は、余すところなく這い回り、オレの身体を高めていく。だけどそんなことしなくても、オレの身体はドアが開いた瞬間流れ出てきた香りで熱くなっていた。
「・・・はぁ・・・ぁ・・・ノノ・・・」
初めから息付く間もなくキスされて、オレの意識は酸欠で朦朧とする。ここに走ってきたので既に息は切れていたのだ。なのにこんな激しいキスをされたら・・・。
「・・・ごめん、トア。でも無理」
そう言うとノノはオレを抱え上げ奥に進むと、ベッドの上に仰向けに放り投げた。そしてすかさずのしかかり、再び唇を合わせる。
激しいキスに息が上がる。けれどオレはそれを止めず、そのままノノを受け入れた。
ぼうっとする頭は意識もあやふやで、気が付けばオレは両ひざを高々と抱えあげられ、正面からノノを受け入れていた。
「ごめん、止められなくて」
目の焦点が合ったからか、ノノは激しく腰を動かしながらそう言うとさらに腰を早めた。
「い・・・いよっ。ぁ・・・んっ・・・つ・・・づけてっ」
こんなに余裕のないノノも珍しい。だけど、オレも余裕なんてない。激しく突かれ、揺さぶられ、身体がイキっぱなしになっている。
お腹の上は既にぐちゃぐちゃどろどろ。
頭がぼやけてた間にどれだけイかされてたのか。ノノも恐らく一回や二回じゃない。今もオレの中から自身を引き抜きゴムを替えている。そして断りもなく、当然のように挿入ってくるそれに、オレの身体が震える。
「・・・ぁ・・・あっ・・・」
敏感な身体がそれだけで極める。
「・・・かわいい」
それを上から見下ろしていたノノが嬉しそうにいうけれど、オレだってそんなノノにどきどきする。
したたる汗と、適度に付いた筋肉。それに芸能人ばりの整った顔。
ノノと別れて一年弱。久しぶりに見たノノは、やっぱりかっこよかった。
それに・・・。
どこが枯れたんだよ。
オレの身体はノノと会えると思った瞬間から疼きだし、ノノの香りでどうしようもなく熱くなった。そしてそれからのノンストップの極まりに、体力は尽きているはずなのにまだ極まろうとする。
ノノもすごい精力。
オレ中で何度イったのか。封の開いたゴムの袋がそこかしこに散らばっている。だけどまだ治らないらしい。ごめんと言いながらノノは繋がったままオレをひっくり返した。
「あっ・・・ぁっ」
もう出るものがないのに上を向いたままのオレのものはシーツに押し付けられ、ノノの動きと共に擦られる。それがまた新たな刺激となって、オレを追い上げる。
だけど、もう無理・・・。
元々体力的にノノとは違いすぎる。発情期でもないオレの身体はすでに限界を超え、その時の極まりでオレは意識を失った。それは人生初の完全な気絶だった。
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