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事件解決
まもなく事件は彩良と日下くんの活躍で解決しました。犯人は小説投稿サイトの投稿者の「倉」という男で、西令草さんの名声を妬んでの犯行でした。ずっと西さんの名前を「北令草」と思い込んでいたのです。
「あの男の名前は西令草だったのか? なぜだ。なぜ『北に住む』を書いているのに『西』なんだ。おかしいじゃないか。許せん。許せないぞ〜」
犯人は自分の思い違いを後悔しましたが、全て後の祭りです。
それから函館市場で奇行に走った男は、新巻鮭を安く買おうとする特殊詐欺集団のひとりでした。この男が新巻鮭にキスし、売り物にならなくなった鮭を別の男が、
「安く買おう」
と業者に申し出る手口でした。
日下くんが記憶していた「西令草」の似顔絵というのは、犯人の「倉」が西さんを辱めようと別のPNで小説投稿サイトに発表した作品だったのです。モデルは美容整形外科の広告に使用されている「before」の写真だったということです。
冤罪の晴れた西さんは青森だけでなく、東京、大阪でも講演会を開くことになりました。
年の差カップル、彩良と日下くんの名声は高く、青森ではしばらくふたりの話題ばかりでした。
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