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「仲間にしてもらえるなら、お願いします」
そう言ったときは、『猫又になって戻ってくるのよ』というアヤちゃんの言葉は頭になかったけれど、
――こんな山の中、仲間がいなかったら生きていけない。
という思いから出た言葉だった。
「では、着いてこい」
言葉を残して、10匹の猫は山の尾根を、
上に向かって走り出した。
人間の言葉をしゃべっている猫が、10匹の中のどの猫なのか、ついに分からなかった。
けれど、ぼくは猫たちを追いかけた。
生き延びるために。
ぼくは走りながら、声をあげた。
「ニャニャ(頂上に行くのですか)。
ニャミャニャ(ぼく、頂上から降りてきたんですけれど)」
するとまた、人間の言葉が返ってきた。
「お前が人間の乗り物で降り立ったのは、猫岳の西峰。
我々が向かうのは、猫岳で一番高い峰の猫天狗峰だ」
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