22人が本棚に入れています
本棚に追加
邪魔者
買い物を済ませ、家に戻ると、私の住んでいるアパート一帯がやたらと騒がしい。
何が起こったのかしら。
赤い点滅灯がやたらと視界の中に入ってくる。
急いで家の中に買い物した物を入れて、また外に出る。
警察の人が何人か来ていて、アパートの住人と話をしているみたいだ。
警察の人達が隣人の家に入っていく。
どうして?
警察の人と話をしていた人から話を聞くことが出来た。
隣の家で児童虐待があって、誰かが通報したことにより、警察が動いて、子供を保護してから、母親を掴まえたとのことだった。
警察が何故。
子供の虐待問題については、及び腰だったはず。
どうして?
警察の人達を見つめる。
虐待を受けていた女の子の頭を撫でながら、笑顔を浮かべている女性が目に入る。
女の子はその後、警察の車に乗って行ってしまった。
もう一度、子供の頭を撫でていた女性を見つめる。
モデルみたいな人……。
いや、違う。
そこじゃない。
尋常ではない何かを発している。
笑ってはいるけど、目つきはやたらと鋭い。
獣のような目をしている。
一瞬目が合う。
背筋に寒気を感じ、視線を背けてしまう。
思わず感じてしまった怖さ。
何だろう。
直感が訴えてくるのだ。
関わるなと!
けど……。
そうはいかない。
恐らくあの女性が今回の事の中心となった人だろう。
また、私達の志の邪魔をしてくるかもしれない。
そんな予感がしてならなかった。
私達の正義は貫かれるべきものであると同時に、実行されるべきものなのだ。
目的を達成するために、邪魔な存在は消し去らなければいけないのだから……。
最初のコメントを投稿しよう!