邪魔者

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邪魔者

 買い物を済ませ、家に戻ると、私の住んでいるアパート一帯がやたらと騒がしい。  何が起こったのかしら。  赤い点滅灯がやたらと視界の中に入ってくる。  急いで家の中に買い物した物を入れて、また外に出る。  警察の人が何人か来ていて、アパートの住人と話をしているみたいだ。  警察の人達が隣人の家に入っていく。  どうして?  警察の人と話をしていた人から話を聞くことが出来た。  隣の家で児童虐待があって、誰かが通報したことにより、警察が動いて、子供を保護してから、母親を掴まえたとのことだった。  警察が何故。  子供の虐待問題については、及び腰だったはず。  どうして?  警察の人達を見つめる。  虐待を受けていた女の子の頭を撫でながら、笑顔を浮かべている女性が目に入る。  女の子はその後、警察の車に乗って行ってしまった。  もう一度、子供の頭を撫でていた女性を見つめる。  モデルみたいな人……。  いや、違う。  そこじゃない。  尋常ではない何かを発している。  笑ってはいるけど、目つきはやたらと鋭い。  獣のような目をしている。  一瞬目が合う。  背筋に寒気を感じ、視線を背けてしまう。  思わず感じてしまった怖さ。  何だろう。  直感が訴えてくるのだ。  関わるなと!  けど……。  そうはいかない。  恐らくあの女性が今回の事の中心となった人だろう。  また、私達の志の邪魔をしてくるかもしれない。 そんな予感がしてならなかった。  私達の正義は貫かれるべきものであると同時に、実行されるべきものなのだ。  目的を達成するために、邪魔な存在は消し去らなければいけないのだから……。  
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