邪魔者

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 右手が動かない。  どうして?  沖田の左手が私の右手首を握りしめていた。  そんなっ……。  沖田は振り向き、ニヤリと笑みを浮かべ、私の右腕を捻りながら上に上げる。  右腕に電流が駆け抜けるような激痛が走る。骨が砕けてしまうかのような激痛。  右手からナイフが落ちてしまう。  沖田の鋭すぎて突き刺すかのような目付き。  身体を一気に駆け抜けていく戦慄。  ガクガクと震えだしてしまう。  お腹に鉄の塊を打ち込まれたかのような衝撃が走る。  お腹を突き破るかのように打ち込まれた沖田の拳。  一瞬、喘ぎ声を上げるけど、頭の中が一気に真っ白に染まってしまい、思考能力が消えていくと同時に、意識そのものが消滅していく刹那を感じながら、私は両膝から崩れ落ち、倒れ込んだ。  沖田に挑むのではなく、逃げるという選択肢を選ばなかった自分の浅はかさを、後悔しながら……。
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