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隣人
私は、事件が起きた部屋の隣に住んでいた若い夫婦を調べている。
一件目の時は気にならなかった。殺人事件の起きた隣の部屋には住みたくないだろう。若い夫婦なら尚更だ。
そう思っていたが、二件目の事件でも同じことが起きていた。隣に住んでいた若い夫婦が事件後に引っ越していたのだ。
アパートの管理者に確認をしたら、一件目の契約者は春奈 結衣、二件目の契約者は久留須 和己となっている。
契約者こそ違うが、若い夫婦の特徴を聞いてみたら、一致する点が多かった。
怪しくないか。
そう思い、隣県で起きた事件についても、事件が起きた部屋の隣人を調べてみた。
やはり引っ越していた。
しかも、若い夫婦と来た。
契約者の名前も管理者に確認してみたら、一致したよ。
一件目の事件の隣の部屋の契約者は久留須 和己、二件目の契約者は春奈 結衣になっていたね。
視点を変えてみると、思わぬ所に共通点を見出すことが出来る。
ついでに、アパートの管理者に入居者の特徴も聞いてみたら、見事なくらいに一致した。
隣に住んでいれば、監視は容易に出来るよな。
しかも、相手側に怪しまれることはなく、相手の状況を把握できるだけでなく、子供の動きも把握することも出来る。
子供が無事だった点にも納得がいく。
被害者も、まさか、隣に自分達を狙っている人間が住んでいるとは思わないよな。
証拠を掴んだわけではないから、二人を捕まえる訳にはいかない。任意で引っ張ったとしても、素直に白状することはないだろう。
先ずは、二人の過去でも調べてみるか。
私は一旦、署に戻る事にした。
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