2人が本棚に入れています
本棚に追加
やり場のない気持ちが募るまま、さらに片付けを続けた。
大半がガラクタや必要のない紙切れでしか無かったので、引き出しにだいぶ余裕が生まれた。
やっと底が見えてきた頃、
またしても見覚えのあるものを発掘した。
褐色の表紙のチープなリングノート。
今は無い、近所のスーパーで買ったものだ。
私はそれを取り出した。
表紙には覇気が感じられない
細々とした文字で
「遺書」
そう綴られていた。
さっきまでのもやもやとした何かが
何も無かったかのように消え去り
強ばっていた顔が綻んでいくのを感じた。
「懐かしいな。」
最初のコメントを投稿しよう!