第六章 アジト襲撃事件

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 僕がわざわざ不思議な鏡を使わなくても、優達がこうして持って来てくれるから、僕はそれで問題ないんだけどね。  どうも、盗みを犯す気にはなれないし。  そう思うものの、飛華流は優へ愛想笑いで誤魔化した。  それぞれ好きな場所でくつろぐと、飛華流達は「イナズマファイティング」でゲーム対戦を始める。 「やっぱゲーム強いなー飛華流は……でもお前、まだ始めたばっかなのに上達早くね? 俺なんて、結構前からやってんのになー」  画面内で飛華流が優を殴り飛ばし、バトルに勝利する。  現実では天地がひっくり返ってもあり得ない光景に、飛華流は面白おかしさを感じ笑みをこぼした。     その後、飛華流は永戸とも通信をし、ゲーム勝負は引き分けに終わった。  それにしても、僕が永戸と互角に戦っているシーンは、何度見たって飽きないな。  自分達のアバターで戦闘が出来るから、リアルなんだよ。  流石、エミナーがくれたイナズマフォンで遊べる魔法のゲームだ。 「永戸さんに、ゲームで張り合えたのは初めてです……宇宙ファイティングでは、大体いつも僕の負けですから」 「こっちより、俺は宇宙ファイティングをやり込んでるからな」  永戸の言葉に、飛華流はある可能性を感じた。  それなら、イナズマファイティングでは永戸を越せるかもしれない。  菓子をつまみ、飛華流は永戸達とだらだらとテレビを眺めていた。  歌番組が終わると、ニュースが流れてくる。 「一宝町に住む中学一年生、上野飛華流さんが行方不明となりました」  女性キャスターの声に、飛華流達は顔を見合わせた。  少し世間から離れている間に、何だか大騒ぎになっちゃってるな。
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